シャドーイング

吃音者に最適なシャドーイング

吃音者は、第一声がうまく発語できるかどうかや途中でつまずかずにしゃべれるかどうかなど、絶えず自分のしゃべりを監視しています。そのためにかえって緊張を呼ぶことになり一層しゃべりにつまずくことになる場合も多いものです。

シャドーイング技法とは、もともと指導者が読み上げる教材を聞いて、それを一語または二語ほど遅れて後を追うように追唱し、次第に正しく繰り返せるようにする練習です。この時、練習者は教材を見ないで指導者の声だけを聴こうとします。

シャドーイングでは、吃音の人の注意が自分の声ではなくて、他者の発する声やリズム、スピードにより注意が向くことによって、苦手な言葉をチェックしたり、察知する暇を与えられないので、吃音の予期不安が生じることなく、楽に言葉を発することができるのです。

学校などで、先生や生徒と一緒に声を合わせて読む時に吃音が減少することはよく知られている事実です。これは斉読法といわれるものです。シャドーイング練習では、文章をシャドーイングする練習だけではなくて、会話のフレーズをシャドーイングしていくのも良いでしょう。

シャドーイング練習の効果としては、前述のように、自分の声やしゃべりに対する過度の監視の力を、他者の声を聴くことによって弱めて自然なスムーズなしゃべりを促そうとすることだけでなく、理想の発声見本を聴きながら、それを真似する感じで発声していくことで、自分の中に理想的な発声のパターンを作りあげていくことにもなるという効果があります。

まず、耳に理想の音見本を聞かせ、さらにそれを真似して発声していき、自分が何の不安もなく心から発声したスムーズな音を自らの耳でフィードバックします。こうして、理想どおりの声（しゃべり）が一度聴覚から知覚されると、無意識のうちに「タイミングよく発声した声（しゃべり）＝望ましい声（しゃべり）＝反復したい結果（理想的な声、しゃべり）」というプログラムを自然に作成し、自動的に修正して記憶し直すということが行われるのです。

シャドーイング練習の効果としては、聴くことに専念することで、自分の声や喋りに対する過度の監視の力が弱まってより自然な発語が促されます。また、耳に理想の音見本を聞かせ、それを聴きながら何度も発声してフィードバックすることにより、自分にとって望ましいしゃべりが定着していきます。

シャドーイング練習のメリット

・自分のしゃべりを監視する力が弱まる。

・理想のしゃべりの音イメージが身に付く。

・無理のない第一声のタイミングがつかめる。

・適正な声の大きさやスピード感が身に付く。

・息に乗せたなめらかなしゃべりのリズムが身に付く。

シャドーイング練習用CD（一式）