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シャドーイングの効果ー論文紹介

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シャドーイングとは、(イヤホンなどで)音声を聞いた後、即座に復唱する練習のことで英語上達の効果が高いことで注目されている勉強方法です。このシャドーイング技法は、吃音改善のための訓練の一つとしても有名です。

以下、シャドーイング技法の吃音における効果を研究した論文を紹介します。

 

短期シャドーイング訓練の吃音に対する効果

音声言語医学 56(4), 326-334, 2015

本研究では、成人吃音者16名を対象に、短期間のシャドーイング(スピーチ・シャドーイング、追唱)による発話訓練を行い、吃音症状と心理面に与える影響を分析した。

シャドーイングとは、連続して聴こえてくるモデル音声を聴取と並行して口頭で再生する行為である。シャドーイング前に実施した音読課題で吃音頻度が高かった8名全員で、シャドーイング中に吃音頻度(特に,阻止症状)が大きく減少し、症状の持続時間も短縮した。

シャドーイング訓練直後の音読課題では、課題文の異同を問わずシャドーイング前に比べて吃音の頻度が低く、後効果があることが示された。一方,音読で吃音頻度が低い参加者は、シャドーイング中の吃音頻度も低いままであった。また、心理面については、自由記述した感想・意見をKJ法で分析したところ、シャドーイング中に流暢な発話を体験したことを実感し、心理面にもポジティブな影響を与えていることが明らかになった。

 

シャドーイングの自宅訓練により改善が見られた成人吃音の1

音声言語医学 59(2), 169-177, 2018

成人吃音者1名に、自宅スピーチ・シャドーイング訓練のみを実施し、その効果を検証した。症例は,自宅で任意のラジオ音声で3ヵ月間、1日10分程度スピーチ・シャドーイング訓練を実施した。

訓練終了後の3ヵ月間の追跡期間後に再度追跡調査を実施した。効果の検証に、吃音検査法、日常生活やコミュニケーションでの困難の度合い(OASES-A-J)と心理面の質問紙(吃音の悩み、コミュニケーション態度、社交不安症)、発話に関する自己評価を用いた。

訓練の結果、吃音検査法の文章音読、絵の説明と自由会話の3場面の吃音中核症状の頻度が低下し、追跡調査時も効果が維持されていた。また、訓練後にOASES-A-Jや吃音の悩みが改善し、コミュニケーション態度が肯定的になり、発話に対する自己評価が向上した。自宅スピーチ・シャドーイング訓練は成人吃音の治療法として、吃音症状と心理的側面の両面に効果をもたらす可能性があることが示された。

 

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