あなたはこんな経験をしたことはないですか?
・初対面の人と打ち合わせなどをする場面で、相手の刺さるような甲高い声が耳について気になり、相手の話に集中できず内容が伝わってこなかった。
・レストランやカフェで、隣の席の人が絶え間なく早口と大きな声でしゃべり続けていて、あまりに耳障りで席を変わりたくなった。
・会話中、相手の消え入るようなか細い声でのしゃべりが聞き取れず、何度も聞き直さなければならず閉口した。
・「あのー」「えっとー」などが会話中に何度も繰り返されて聞きづらかった。
上記のような問題があると、聞き手はあなたのしゃべり方だけに注意が向くことになり話す内容はおろかあなた自身への興味、関心も薄れてしまいます。これではせっかくの良好なコミュニケーションを図る機会をふいにしてしまうことにもなりかねません。
では、吃音者の方はどうでしょうか?
会話中の聞き手の反応が気になる方は圧倒的に多いものです。どもっている状態を聞き手に知られたくない思いが強く、早く会話を終了させたいと願うこともしばしばです。そのため、あなたが会話している際の態度やしゃべり方によっては上記のような不快感を聞き手に与えているかもしれません。
そこで、吃音症状が出ているとしても、聞き手がそのことが気にならずに、あなたの話す態度や話し方に注意が向いて、さらには話の内容に興味、関心を向けてくれるような、つまり、あなたに対して好意的に接してくれるような話し方ができることが望ましいと言えるでしょう。
さて、そのためにはどうしたらいいのでしょうか?
・聞き手に対しての警戒心を緩める➡警戒心や恐れ、不安感は表情に現れて聞き手に伝わります。
・顔を下に向けて、自信なげな態度を改め、正面をしっかり見て話します。
・虚勢を張ろうとしない➡頑張っている不自然さが聞き手に伝わります。
・低めの太い声を出そうとします。➡どもっている時は声帯が締まって声は高めになっています。低めの声は聞き手に安心感を与えます。
・「あのー」や「えっとー」の挿入や助走を使う場合は、堂々とやはり太目の低い声でゆっくり言います。慌てて「あのー」や「えっとー」を何回も繰り返す と、聞き手に落ち着きのない印象を与えてしまいます。
・どもりそうだなと思ったら、その都、度「ハーッ」と息を吐いてリラックスします。➡声帯が緩んで発声しやすくなります。
・実は、あなたが一番楽に喋れている時こそ(全くどもっていないというわけではないが、どもりが気にならない状態)、聞き手もあなたのどもりが気にならずに話にしっかり耳を傾けてくれていることでしょう。