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スムーズなしゃべりに欠かせないフィードバック機能

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何かを身に付ける際に必ず必要なフィードバック機能

私たちは幼児期に両親や周囲の人達の言葉を聞いて、それを真似するように発声し言葉を学習していきます。その際、自分の発声した声を自分の耳で聞いて思い通り発声できているかどうかをフィードバックしながらチェックし、両親や周囲の人たちのしゃべりの見本に近づけていきます。初めのうちはうまく発声できないので、何度も修正しながら、「流暢なしゃべり」を身に付けていきます。「流暢なしゃべり」には『自分の口から発声された声を聞く』ということが絶対に必要なのです。聴覚障害で耳が全く聞こえない人が話すことができないのはそのためです。

目隠しをして車の運転はできません。音の出ない楽器でいくら練習しても上達しません。私たちが何かを身に付けるには、『○○できるようになる』というような目標設定と、目標達成のために、練習した結果を知り(フィードバック)、コントロールして目標に近づけることが必要です。そして、一旦身に付けたことを引き出して使う時にも、うまく使えているかどうか、自分が行動(反応)した結果をしっかりフィードバックして知ることが重要です。

これは、ちょうど鏡を見ないでお化粧をすると、とんでもない顔が出来上がりますが、鏡を見ながらお化粧するとうまくコントロールできて、思い通りの顔を作ることができるのと同じことなのです。

口紅

 

流暢なしゃべりの獲得にフィードバック機能が必須

「流暢なしゃべり」を獲得することも同じことで、言葉を覚える時も、言葉を使って話す時にも、自分が発声した声を聞くこと、そしてフィードバックしながら調整していくことが不可欠です。

しかし、吃音者は、言葉が詰まったり、どもってシドロモドロになってしまうことが恥ずかしいため、そうなってしまうことを恐れて、「またどもったらどうしよう」とか「笑われないかな?」という不安や恐れに心が向いてしまい、自分が発声した声をあまり聞いていません。つまり、「流暢にしゃべる」ためのコントロールシステムのスイッチがOFFになっているのです。

流暢にしゃべるにはこのコントロールシステムのスイッチをオンにすることが必要です。スイッチをオンにするには、自分の発声した声を聞くこと、つまりフィードバック機能を働かせることなのです。

しかし、吃音者は言おう、言おうとする意識や早く言い終わらせたいという思いから自分の発声した声をなかなか聞けません。そこで、役に立つのがDAF装置です。この装置には、自分が発声した声をある一定時間遅れさせてイヤホンかヘッドホンで聞かせることができます。自分の声が遅れて聞こえてくるので、自然に発声はゆっくりになり、発声した結果をしっかり聞き取れるようになります。この装置を使いながら、自分の発声した声を聞きながら発声するとしゃべりがスムーズになっていきます。つまり、DAF装置が「流暢なしゃべり」のスイッチをオンにしてくれるのです。装置を使って聞きながらスムーズに発声する感覚を身に付けることができるのです。

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