吃音者はしゃべり方を意識し過ぎている
吃音者は、出だしが詰まらずスムーズに言えたかどうか、しゃべり方が途中で詰まって不自然ではなかったどうか、どもりだと気づかれたかどうかなど、「どもっているか、どもっていないか」というそのしゃべり方に一番注意が向いています。
また、しゃべり方に意識が向いていると同時に、喉が締まって息苦しいとか、舌が上顎にくっついて離れないなどといった肉体的な感覚にも鋭敏になっているものです。
自分の声はどう聞こえていると思いますか?
あなたは、どもるのを気にしている時や、実際にどもっている時、「どもってしゃべっている」という認識以外に、自分のしゃべりに関する要素に気が付いたことはありますか?
とりわけ、聞き手が耳で確認できる声に関してはどうでしょうか?
・声の大きさや勢い
・声のスピードやリズム
・声の印象
自分の声の問題点に気がついたでしょうか?
例えば、声が小さくて弱々しすぎる、早口で聞き取りずらい、自信がなそうな声、元気のない暗い印象などに気がついたとしたら、気づいた点を修正するために必要なことの一番目は正しい発声法を身に付けることです。
まずは、鏡を見ながら、母音(あいうえお)の正しい口の形を目でしっかり確認しましょう。口と周囲の筋肉を大きく動かして発声しながら、筋肉が動いているかどうかに気を付けて、体の内側からその感覚を感じとりながら練習しましょう。
声に問題がある吃音者は、口の筋肉に力が入りすぎたり、正しい口の形になっていないことが多いですから、口周りや顎の動きの感覚をよく感じ取るとよいでしょう。
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発声呼吸練習
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母音の口形練習ができたところで、挨拶や返事、簡単な会話、自己紹介など、普段の場面を想定しながら実際に声を出してみます。
自分の声を自分の耳で聞きながら反復練習することが大事です。これを繰り返していると、自分の声の問題点が少しずつ改善されていくことでしょう。