大学3年生頃から就活は始まるようですが、大学4年生にとっては、6月は採用面接など先行解禁時期であり、第一志望の面接が始まる時期だそうですね。いよいよ、就職して社会生活が始まるわけですが、そこでは学生時代よりも初対面の人と次々に出会う機会が増えます。ここでは公的な挨拶が求められることになります。この出会いの瞬間、もしくは数分で、相手はあなたについて何らかの印象を持つことになります。
挨拶を交わす以前に持たれる印象
人は誰でも、一目見ただけでも相手について何らかの印象を持つものです。「誠実そうな人だ」「落ち着いた人だ」「暗い感じの人だ」などと、直感的に判断を下します。また、前もってその人の情報を知っている場合などは、勝手に先入観を持ってしまう場合もあります。
そこで、いよいよ挨拶が始まります。聞き手は言葉使いや話し方、応対態度、話の内容から自分の持った先入感が的中していたかどうかを確認することにもなります。
吃音問題を持っている学生さんにとって、面接の場での挨拶やスピーチは非常に気になるところでしょう。できるかぎり好印象を与えられて且つはっきりと、質問された事柄について話せたらと願っていることと思います。できれば「吃音者、どもり」の印象を相手に持たれたくはないと。
吃音が出るかどうかを心配して自信なげな態度をとったり、あるいは本当は内心怖いのに虚勢を張った態度をとったりすると、相手にはその不安感や警戒心が伝わることになってしまうかもしれません。
見た目が55%
メラビアンの法則とは、1971年にアメリカの心理学者アルバート・メラビアンが提唱した概念で、話し手が聞き手に与える影響を、研究と実験に基づいて数値化したものです。これによると、話をする際に相手に伝わる情報として、話の内容自体が7%、声の大きさやトーンに関するものが38%、そして見た目が55%を占めるとされています。この割合を取って、7-38-55のルールと呼ばれることもあります。
この法則に基づくと、話をしているときの印象で一番相手に伝わるのは、話の内容といった言語情報や声による聴覚情報よりも、見た目から受ける視覚情報が大半を占めるということになるのです。言い方を換えれば、相手に与える印象としてまず一番先に入ってくるのが視覚情報ともいえます。
そこで、吃音者は、まず相手に好印象が与えられるようにすることが一番大事だと言えます。仮に吃音の症状が出たとしても、その時臆せず一生懸命話そうとすれば、その熱意や積極性が相手に伝わります。つまり、話す内容ばかりに気を取られていると、話す態度や姿勢がおろそかになってしまう恐れがあります。面接では、窮した時のあなたの反応が見られています。聞き手があなたに興味、関心、好意をより向けてもらえるかどうかが鍵だとも言えます。