精神平常化イメージとは
リラックス技術に慣れてくると、ある種の光景を思い浮かべるだけで心と体の弛緩状態が得られるようになります。
このように心に描くだけで心身がリラックスしてくるイメージのことを「精神平常化のための視覚表象(イメージ)と呼んでいます。これはあなたの過去の経験からとりわけ心地よくリラックスした光景の記憶を呼び起こして行うリラックス・テクニックの一つです。
既に紹介しているリラックス法(筋弛緩や自律訓練法)の最後の部分にもこの「精神平常化イメージ」取り入れるとリラックスがいっそう深まります。
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リラックス練習
目次1 吃音者に必要な完全リラックス2 筋弛緩法2.1 〈ポイント〉2.2 <進め方ー短縮版を一例として>2.3 こんな方に最適3 自律訓練法3.1 標準練習の公式3.2 各段階のポイント4 リラック ...
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広々とした公園での散歩や湖のほとりでのひととき、高原でのハイキング、夏の海辺、素敵なカフェでのティタイムなど、あなたにとって快いさわやかな光景であれば、どんなところでもかまいません。ですから人によっては美術館で好きな絵画や彫刻、寺院や神社などの
建物が精神平常化イメージとなることもあるかもしれません。
精神平常化イメージを使ったリラックス法のやり方
精神平常化イメージを使ったリラックス法のやり方できるだけ楽な姿勢をとり体をくつろがせます。そして、今まで最もリラックスできた経験は何かを探してみてください。
- 今自分がイメージしたことに関連して、そのイメージを思い浮かべた時に何か嫌な感じを思い起こすことはないか確認してください。もし嫌なことを思い出されるようであれば、別のイメージを再度探してください。
- じぶんにとって一番リラックスできるイメージを決めて、それを自分の基本イメージとします。
- その基本イメージをはっきりさせるために、次の点に従ってイメージをさらに感じ取ってみましょう。
・周囲にどんなものがあるか?
・それらはどんな色か?
・そこにはどんな音があるか?
・体には何が触れているか?
・季節感はあるか?
・そこにはどんな匂いがあるか?
・あなたの気分はどんなか?
このようにして、気持ちの良い光景を思い浮かべ、その中にいる自分をイメージしながらリラックスすることによって、不安や恐れ、集中力の欠如、ストレス、気持ちの抑圧から解放されていきます。
イメージには、実際の体験同様、身体の中で肉体的、精神的なエネルギーの変化(神経電流の発信)を引き起こす作用があることは実証されています。したがって、そのときのイメージ、あなたが決めた精神平常化イメージを思い出すと、自動的にそのときの感情が甦り、肉体的、生理的反応もその時とほぼ同じように再現されます。
ぜひ、リラックスの技法の一つとして取り入れてみてください。