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吃音者の吃音に対する意識度

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吃音者の吃音に対する意識度

昔から吃音の重症度を判定するために用いられる検査に音読検査というものがあります。
この検査は「ジャックと豆の木」の一文を読んでもらって、視覚的、聴覚的に確認できる吃音症状の判定をするものです。この検査では、言語症状や随伴症状、情緒性反応、工夫などの現状把握ができます。

 

ジャックと豆の木

 

音読検査の中で、とても重要なことがあります。それは、吃音者の吃音に対する意識度を明らかにすることです。

吃音者は、自分が吃音であることを人に知られたくないと思っている方が多いので、吃音症状が人前で現れることへの不安や恐れ、恥ずかしさなどの情緒的な反応を隠そうとする傾向にあります。したがって、吃音者の表情、視線、態度、行動、話し方を検査の中では注意深く観察して、吃音者の吃音
に対する意識度を判定していくことが必要です。

 

吃音の自覚

吃音の重症度は、もちろん症状の程度の客観的な事実により判断されるのは言うまでもありません。

しかし、吃音の症状自体は軽度であっても、自分の吃音を「重い」と評価している人も少なくありません。自分の「吃音」をどう評価し、「吃音」についてどのようなイメージを抱いているかによって、実は真の意味での吃音の重症度がわかります。

吃音症状の重症度が比較的軽い方でも、この吃音に対する意識度」が高い方は、吃音の重症度は重たいタイプといえます。

吃音症状そのものが軽減され、改善、解消されるにつれて、この「吃音に対する意識度」にも変化が現れます。吃音をあまり隠そうとする必要性がなくなるので、表情や態度、行動に不自然さがなくなります。もちろん、吃音者本人の吃音に対する訴えが当初とはまったく違ってきます。

私たち指導者は、吃音症状そのものの改善、解消はもちろんですが、この「吃音に対する意識度」に変化が起こることが真の吃音解決の兆しだと考えています。

 

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