間もなく、夏休みが終わり新学期が始まります。
国の自殺総合対策推進センターによると、自殺する子どものうち、中学生と高校生は「9月1日」、小学生は「11月30日」が最も多いそうです。夏休み後半から休み明けにかけて子どもの自殺が多発するようです。
自殺にまで追い込まれてしまう背景には、前期に辛い経験(いじめや、特定な悩みや問題を抱えている)をしていて、そうした苦しい日々を何とか乗り越えて夏休みを迎えしばらくは平和な日々を送っていたものの、問題は根本的には何も解決しないまま、いよいよ新学期が迫ってきて学校生活への不安や恐怖に一挙に襲われて、一人で思いつめて対処しきれなくなってしまったということが考えられます。
こどもの自殺原因にはいじめ問題が大きな要因になっています。いじめる理由はさまざまですが、たとえば、吃音のようにしゃべりがスムーズにいかないと、それをからかわれたり、真似されたりといじめの標的にされることもあるかもしれません。
吃音問題を抱えている中学生、高校生にとって、夏休みや冬休みなどの長い休み中は困っている問題、例えば音読や発表など緊張に晒される環境から解放されてつかの間の安心を味わえる期間です。しかし、吃音問題は休み中に解決されるような問題ではないので、新学期が近づくにつれて不安や恐怖に襲われることになるのです。
こんな時、まずは自分の悩みを打ち明けられる家族や友人が一人でもいてくれると心強いものですね。大人でも、長期休暇の終盤や休み明けに憂うつになったり、会社に行くのが嫌になったりすることはあるものです。ましてや、人生経験の少ない子どもたちにとっては、現状の問題の解決策が浮かばずますます不安感を募らせることにもなってしまいます。
実際には解決策は必ずあるはずなのですが、子供たちはそこまで考えが及ばず「死ぬしかない」と追い詰められてしまう場合もあります。そこで、私たち大人はやはり子どもたちの様子を注意深く見守ってあげる必要があります。「誰も助けてくれない」という絶望感を味わう前に助けの手を差し伸べてあげることです。
私たち大人がまず、子どもたちの不安や恐怖など様々な思いを受け入れて安心させてあげること、そして、解決策を一緒に考え行動していくことで「一人ではないこと」を感じとってもらえるようにすることが大事だと思うのです。