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ミラーニューロン

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ミラーニューロンとは

ミラーニューロンとは、人間やサルがある行動を起こすときに発火する運動ニューロンのうち、他人(他個体)の行動を見るだけで発火するニューロンのことで、20年ほど前にイタリアの研究チームによって偶然発見されました。

ミラーニューロンとは、霊長類などの高等動物の脳内で、自ら行動する時と、他の個体が行動するのを見ている状態の、両方で活動電位を発生させる神経細胞です。 他の個体の行動を見て、まるで自身が同じ行動をとっているかのように"鏡"のような反応をすることから名付けられました。

最近の研究で、ヒトにもそのような脳の領域があることが分かってきました。そして重要なのは、人間のミラーニューロンのある左前頭葉の領域がブローカ野であることです。そこは人間の脳の中で、言語にとって重要な意味をもつ部位です。そこにミラーニューロンがあるということは、ミラーニューロンが言語の進化における神経面での決定的要素であるかもしれないとの仮説を裏づけることにもなっているのだそうです。

 

左脳

 

ミラーニューロンの働き

人間は、他者の運動を目で追うことで、自らの脳にその運動の状態を知らせ、自らの身体に目の前の人物と同じ運動を起こす指令を発すると言われます。
他者の運動を能動的に観察する時、観察者の脳の中では、運動を行っている者の運動系のニューロンの動きと同じ動きが起こると言う。これがミラーニューロンという神経の働きです。

話し言葉を身に付けていく時、乳幼児は両親の声を聴くと同時に手や身体の動き、表情、さらに口元の動きなどを視覚的にとらえています。
私たちが言葉を発する時、直立不動で微動だにせず声を出しているなんてことは一切ありません。発声する時には、それにふさわしい運動が必ず伴なわれていると言っても過言ではないでしょう。

そこで、みなさんにお勧めしたいのが、スムーズにしゃべっている人をよく観察することです。
そうすれば、前述のミラーニューロンという神経の働きで、他者のスムーズなしゃべりを自らの脳に知らせ、それを自ら引き出す方向に身体の動きを整えるように指令を出してくれるのです。

また、人の脳は、サルやイヌの声を聞いたとき、聴覚をつかさどる領域だけが活性化するそうですが、人が話しているのを見たり聞いたりするときは、聴覚だけでなく、言葉を発するために口やのどを動かす神経の領域も活性化します。この領域こそが「ミラー・ニューロン」だと考えられ始めているそうです。

スムーズにしゃべっている人を見たり、聞いたりすることでミラーニューロンが活性化します。そして、ミラーニューロンが活性化する場所がとりもなおさず、発語に最も重要なブローカ野となれば、スムーズなしゃべりが助長されることは間違いないことと言えるでしょう。

スムーズにしゃべりたければ、なにはともあれ、お手本にしたいような人のしゃべりを見たり聞いたりすることが大切です。

 

 

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