「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」「少々お待ち下さい」「お待たせいたしました」「かしこまりました」「恐れ入ります」「申し訳ございません」などの敬語は、やはり社会人としては、その場の状況に応じてスムーズに使えるのは重要なことと言えるでしょう。
仕事上では、こうした敬語は頻繁に聞かれます。特に吃音の人で接客の仕事についている場合は、敬語がうまく言えずに困っていると相談されることが多いものです。こうしたことばが状況に応じて言えるかどうかで、そのお店や会社の評判や評価に影響が出てしまう場合もあります。そうしたことをとても恐れてしまって、お店や会社を辞めてしまう人もいるほどです。
まずは敬語を言い慣れることが大切です。言い慣れる前に敬語をうまく使っている先輩や同僚などの音見本をよく聞くことが最初の第一歩です。『聴き取れないことばは話せない』という大前提があります。そこでスムーズに敬語が言えるようになりたいのなら、あの人のように自分もしゃべりたいなという人の見本をよく聴くことから始めます。
もちろん聞いているだけではスムーズにしゃべれるようになりませんから、次に真似をする感じで声に出します。この時出した声を聴くことを忘れないで下さい。聴き取ろうという意識を働かせるだけで、自動的によりスムーズなしゃべりへと修正されていきます。自分がいざしゃべろうとするときに、耳に聞いた良い見本がイメージで引き出されるようになって、そのイメージをなぞるように声が出るようになればしめたものです。無理のかかっていない出だしの第一声のタイミングや、滑らかなフレーズの流れなどを、音イメージとしてしっかり脳にインプットしましょう。