さて、今日はコミュニケーション障害学会の講演で取り上げられていた話題についてご紹介します。
難聴が認知症発症のリスク要因の一つであることは、すでに多くの信頼できる研究によって証明されています。現時点では、75歳以上では約70%に軽度以上の難聴が認められるそうです。認知症は85歳以上では約4人に1人の割合で認められるそうです。
難聴が認知症発症リスク要因であることは、すでに世界的コンセンサスが得られています。そして、今補聴による抑制効果についての研究が行われていて、補聴器を使用していない人は認知機能の悪化がみられるという報告もあります。
2017年にLANCET国際委員会は、認知症発症の危険因子の中で難聴が最も影響が大きいと報告し、その対策を提言しています。
詳細を知りたい方は、「ランセット委員会リポート」で検索してみてくださいね。https://response.jp/release/kyodonews_kaigai/20170720/36071.html
日本でも、厚生労働省が2015年に作成した認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)の中に、危険因子として難聴が入っていて、難聴に対する補聴は危険因子を軽減し抑制を促進することが期待されていると認識されています。
つまり、難聴になると、コミュニケーションが困難になるので人との接触を回避するようになり、余暇を楽しんだり社会活動に参加することがなくなってきます。その結果、精神的健康や認知機能に悪影響を及ぼすことになるのでしょう。
フルーエント・スピーカーという吃音者のスムーズなしゃべりをサポートする製品があります。見た目は補聴器そのもです。集音器のように外部の音を大きくするというよりも、自分の発声した声が耳に聞こえてくるものです。スムーズなしゃべりのためには自分の声を聴き取ることがとても重要だからです。
この装置を付けることで耳の働きそのものを活性化することができます。マイク機能がついているので相手のしゃべりももちろん大きめに聞えますからよりしゃべりやすくなります。
最近は、吃音者だけではなくて病気の後遺症でしゃべりずらくなった方のリハビリ用にも使用されているようです。
難聴の方にもきっと良いサポートをしてくれるのではないかと期待しています。
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