子供の吃音 子供の吃音Q&A

子供の吃音Q&A

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A1:1歳半から3歳歳ころまでのことばのつまずきは、発達性吃音(一次吃音)と言われ、脳の言語中枢の発達が未熟なために起こる場合がほとんどです。本人は自分の言葉のつまずきを全く気にしていないものです。この時期にしゃべりに過度の注意を向けさせることは、かえってマイナスになることが多いようです。本人がどもることを気にして隠そうとするのが「吃音」です。これを獲得性吃音(二次吃音)と言います。

つまり、発達性吃音の時期は本人が症状を意識したり、気にして隠そうとしていないわけですから、周囲がことばのつまずきを特別なことと意識させなければ、本格的な吃音に移行せずに、自然治癒するケースも多いのです。

したがって、本人が気にしている様子がなければ、言い直しや注意をしないほうがいいでしょう。また、言葉に出さなくても、話を聞いているときの不安げな表情やイライラした態度は子供に自分のしゃべりを意識させることになりますので注意しましょう。

 

A2:最近は幼稚園や小学校入学前くらいのお子さんが、スムーズにしゃべれないことを気にしだすケースが多くなっています。本人が自分の状態を気にし始めたら、もうただ様子を見ていればいい状態ではありません。

本人がどもることを気にしているようなら、少しでも楽にスラスラしゃべれるように手を差し伸べてあげましょう。お子さんが本格的な吃音になってしまう前に、早めに改善策を提供してあげましょう。お子さんに「吃音は治るよ。スラスラしゃべれるようになる方法はあるよ」と安心させてあげることです。そして、適切な練習を始めさせることです。

 

A3:本人が吃音を意識しだし、それを隠そうとしだしたとしたら、できるだけ早いうちから本格的な治療を受けさせたほうがいいでしょう。ただし、大人と違ってまだ、自分の問題を治していくことに対して確固とたる動機付けや意思がありませんから、大人が行うトレーニング(プログラム化されている)よりも、日常生活の中で楽しみながら続けられる方法を取り入れる方がいいでしょう。また、本人の性格傾向や意向も考慮しながらその時点で一番最適な治療法を取っていくことが大切です。

 

A4:親御さんが、吃音を治そうと思ってさせるさまざまな練習は、練習のさせ方によっては吃音を本人にさらに意識させることになってしまう場合があります。

練習はどもらないようにするためではなくて、スムーズに自分の思い通りにしゃべることができるように、スラスラしゃべれる心地よさや楽しさを感じられるような方法で実施されなくては良い効果を上げることはできないでしょう。親御さんは早く治してあげたいと思っていろいろな練習方法を取り入れて、やらせようとしますが、「これはおもしろいなー」「ずいぶんしゃべりやすいなー」と、本人が感じながら、あまり練習をしているという意識を持たずに楽しみながらできる方法がとれると尚いいでしょう。

 

A5:子供の吃音治療に限らず、一般的に「吃音は治らない」という前提で、吃音をできるだけ受け入れてなるべくどもらずにしゃべれるようになる方法を身につけましょうという方針で指導を展開している所の紹介が多いように思います。

治療で一番大事なことは、吃音をなくすための方法や少しでもどもらずにしゃべれるための工夫や対策を教えることではなくて、あくまでも本人の望むスムーズなしゃべりを身に付けていくことだと思います。

すでに脳の中にはどもる回路が学習されて出来上がっています。その回路をなくそう、なくそうと頑張るよりも、元々脳に組み込まれているスムーズにしゃべれる回路を再強化し、いつでも自然に働き出すようにしていけばいいのです。そうすれば、どもる回路の力は徐々に弱まり、結果的に吃音の症状がなくなりスムーズにしゃべれるようになっていきます。

したがって、吃音治療でもっとも大事な点は、吃音を工夫して少しでも楽に話せるようにしていくことではなくて、本来備わっている自動運動のひとつであるしゃべるという機能が自然に働き出してあげる方法を取って治療していくことなのです。

 

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