吃音者に役立つアドバイス

雑談の場面で

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会議やプレゼン、講義や発表など人前で改まってしゃべる場面より、家族や親しい人とのさりげない雑談時にどもりの症状が顕著になるタイプの吃音の方がいます。こうした方に、「なぜ緊張が少ない場面なのにどもるのだと思いますか?」とたずねたところ、「ほとんど自分のしゃべりに注意を向けていないし、ましてや自分の声を聴きながらしゃべろうなどとはしていないからではないでしょうか」という答えが戻ってきます。

 

雑談

確かにその通りなのです。 人前でしゃべる場面では、スムーズにしゃべりたいという目標をしっかり持っているので、脳はその指令通りに体を反応させようとしてくれます。それで、より滑らかなしゃべりができるということです。逆に家族や親しい人の前では、どもることに対して不安や緊張感がないので、スムーズにしゃべろうという目標もありません。

すると、本来身についているどもりの発声パターンが自然に引き出されてしまうわけです。 吃音を知られてもかまわないと思っている人の前では、スムーズにしゃべろうとする意識が薄れるところが問題です。人の評価や失敗に対する不安感のない場面ですから、こうした場面でもっと安心して練習を重ねてスムーズなしゃべりを実感できるようになりましょう。緊張のない場面で練習した感覚はしっかり脳に回路としてインプットされやすく、実際の場面でスムーズな回路を無意識的に引き出すことができるようになります。

 

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